『歯周組織検査』て何?

img059-2のコピー.jpg

 厚生労働省ホームページ内のLinkIcone-ヘルスネットによると

日本人の歯周疾患の有病状況は働き盛りの年齢層の半分近くに認められます。「健康日本21」における歯周疾患の標的年齢(35~44/45~54歳)の歯周疾患の有病率は、それぞれ27%、43%となります。

と記載されています(一部省略)

 「働き盛り」に関して言うなら50%近くは歯周疾患に罹患しているのですから、歯周組織検査を受けたことのある患者さんは50%以上いることになります。歯科医院で歯石を取ってもらった経験のある方は、思い出すはずです。「チクチク」して痛い(歯肉が腫れている場合は、かなり痛い思いもされるかな・・・)あれです。

 歯周組織検査は、歯を支える『歯槽骨(しそうこつ)』という骨が、吸収されて喪失していないかどうか、吸収されているとしたらどこからどこまでの範囲か、それはどのくらい深さに達するのかを調べるために行います。それはまるで海底(=骨)の起伏や海面(=歯肉)からの深度を把握するためのソナーの様な役割をしてくれます。


『歯周治療の流れ』の横に、検査の様子を3種類の画像で説明したものを載せました。

(出典:歯科医師会配布資料から)

  1. 上写真) 実際の口腔内の様子。この場合、歯周病が進行しており検査器具を挿入されるとその周囲から出血しているのがわかります。この様子ですと検査時は痛みを伴ったかもしれませんね。
  2. 中央写真) レントゲン写真です。真っ白い棒状のものが検査器具です。中央の歯をみると根の左側と器具が挿入されている右側で歯槽骨の高さが違っているのが分かるでしょうか。根の周囲に霜降りの様に白く見えるのが歯槽骨で、これが無くなるとレントゲンでは黒く見えます。検査器具の先端が、残っている骨のすぐ近くまで挿入されているのが理解できます。この位置まで骨が吸収して無くなってしまったということです。
  3. 下イラスト) 上の2枚は写真ですが、イラストの方が理解しやすいでしょうか。歯根の表面に黒く描かれているのは歯石です。骨吸収が起これば歯肉のかなり奥深くまで歯石が付着します。ここまで深く広範囲に付着していると、歯周外科(後述)を実施しないと完全に除去することはかなり難しいでしょうね。

 『検査』が何を目的に実施されるのか、それはどのようにされるのか理解できたでしょうか。おおざっぱな言い方になりますが、「歯周病」は歯槽骨が溶けて無くなった状態を表現した言葉(=病名)です。ですから歯周治療するならば歯槽骨の状態を把握するのは当然の必要で、この事を踏まえて保険診療では、この検査無しに治療は実施出来ないルールにしていると言えます。

 【ピンクの囲み】がされた『検査』の所全てで、この検査器具を用いてこのように検査を必ず行います。

『手術』・・・・そうです。『手術』ですからメスで切って糸で縫合するんです。

 検査3(3回目の検査の意味)で歯周疾患が治ったと判断されれば、『治癒』となり治療終了です。ですが検査3の結果、病気が治癒していないと判断されれば次は『手術』をおこなう手順に到達します。

 ここまですすむのは一部の稀な患者さんでしょ?と思われるかもしれませんが、レントゲンと歯周組織検査の結果から「この状態なら手術が必要」と判断するケースは多いと思っています。

 ところが治療説明で『手術』の話をするとほぼ全員が「そのような治療は知らない。これまで何件も歯科医院に通っているが、そんな説明を受けたことはない」と答えます。

???????????????????????????????????????????

 『日本人の歯周疾患の有病状況は働き盛りの年齢層の半分近くに認められ・・・』るのに全員がそのような治療があることすら知らない・聞いたことがないと答えるのには驚きです。『歯周外科手術』は私が歯学部学生の頃から保険診療で受けられる治療として普通に存在しています。もちろん細かなテクニックや使用出来る医療材料に昔とは違うところもありますが、歯周疾患を治療するために外科的な手法を用いるという「基本」は変わっていません。そんな数十年も前から存在する治療を誰も知らないと答えるのはおかしくないか?そう思うのは私だけ?

 それならば、歯周外科手術について簡単に説明をしましょう。興味のある方は下の【詳しくはこちら】をクリックして下さい。ただし、そのページには外科処置の写真が掲載されています。一応オペ中の写真はカラーからグレーに画像変換しています(医療情報番組でオペ中の患部映像に加工しているアレ)が、ページをご覧になるかどうかはご自身の判断でお願いします。